おじき木人拳

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13. New Order / Brotherhood

今も現役で活動するイギリスはマンチェスター出身、ニュー・ウェーヴ/ポスト・パンクを代表するバンド、ニュー・オーダーが86年にリリースした4枚目のアルバム。

入り口になったアルバムという事で言えば93年の『Republic』の方なのだけど、あれは『Regret』が良すぎて他の曲が霞んでしまうという困ったアルバムなので、アルバム1枚通して好きになった、ニュー・オーダー自体にハマるきっかけになったアルバムといえばこちら。
当時秋葉原にあった中古CDショップのディスクマップで購入したと記憶しています。

ちょうどその『Republic』がリリースされた頃に、『ロック・オルタナティヴ パンク / ニューウェイブ & 80’s』というオルタナティブ系ロックをパンク/ニュー・ウェーヴの時代から体系的に紹介する、めちゃくちゃ詳しくて充実したディスクガイドブックが発売され、とにかく映画でも音楽でもルーツからきちんと辿っていくのが正しいファンの在り方だ、くらいに思っていた当時のわたしはその本を端から端まで読みこんで、気になるアーティストを見つけては中古レコード店で買い漁ったりしていたのですが、その本の中で、電気グルーヴの石野卓球がめちゃくちゃ気合と愛のこもったニュー・オーダー評を書いていて、このアルバムの最終曲『Every Little Counts』が「君は豚みたいだから動物園に住んだ方がいい」とかいう酷い内容を吹き出しながら歌ってて(狂ってて)ヤバい、みたいな感じで紹介しており、それはなんだか面白そうだと思って聴いてみた、というのがきっかけなのでした。

ヒット曲『Bizarre Love Triangle』なんかも収録されているけど、アルバム全体はニュー・オーダーのパブリック・イメージとはちょっと違う非常にロックなアルバムで、ヴェルヴェッツの血を感じるノイジーなギター(ほぼ手癖で弾いている)や、ひたすらでかい音でメロディーを弾いて屋台骨を支える気が全くなさそうなベース(完全に手癖で弾いている)、不安定だけど自分では不安定だと思ってなさそうなクセになるボーカル、などが楽しめます。
楽器や歌のうまさが良さと結びついているとは限らない、という事を知った1枚。

アルバム中最もロックっぽい1曲。後半のギターが大爆発するところとか大好き。
アルバム中最大のヒット曲、というか彼らの代表曲中の代表曲だけど、アルバムの中ではやや浮いてるくらい可愛らしいくてポップな曲。

おまけ。このアルバムの曲ではないけど最初に好きになった(そして一番好きな)彼らの曲。